占い師が本当にやらなければならないこと

「占い師が本当にやらなければいけないこと、それは・・・」
占い師を目指す人を教えることが多くなり、そんなことを毎日考えるようになった。

占い師がやらなければいけないことは、未来の吉凶を当てることではない。
私はこの5年半、吉凶を見るために占いをしたことは一度もない。
この私の姿勢、純粋に占い好きな人が見たら「そういうことを言うあなたのは占いじゃない」
と言われるかもしれない。でも私は吉凶を見るためではなく、
「相談者の悩みが解決するように、前に進めるように。」という思いで占いを続けてきた。

だからこれを、占いを学ぶ人たちに伝えればいいのかもしれない。
でもこの言葉は敢えて伝えていない。なぜなら、ほとんどの人が私に言われなくたって
既に「わかっている」ことだからだ。

占いを学ぶ人たちに、もっとズドンと響いて、背筋がピンと伸びる言葉は何だろうか?

そんなことを考えていたある日、友人の悩みを聞くことがあった。
悩みの内容は部下について。
何を言っても反応がない、何も言わない。何を考えているのかわからない、というのが悩みとのこと。

実は最近私も、占いで同じようなことを感じている。相談内容を聞いていても悩みの大元を掴めないのだ。
愚痴でも怒り不安でもなんでもいい、言葉を聞くことができれば感情がわかるし
悩みのもとを探ることができるのに、それがなかなかできない。これは一体どうしてなのだろうか?

あれこれ考えていたところ、ふとある仮説が浮かんだ。
「自分の感情をどう言葉で表現したらいいのかわからないのではないか?」
日常のコミュニケーションが単語やスタンプだけで済まされるようになり、言葉の力は明らかに落ちている。
思いを言葉にできないから、辛い・悲しい・不安を言語化できず、
対処法も考えられないということはないだろうか?

後日この話を友人にしてみたところ、「たしかにそうだね。普段ヤバイしか言ってないんだから、
まともな会話はできなくなるよね。」という返事が返ってきた。
言葉が薄っぺらくなっている、これはきっと多くの人が感じていることなのだろう。

さて話を元に戻す。
「占い師が本当にやらなければならないこと。」それは相談者の気持ちの言語化だ。
まずは悩んでいることを言葉にし本人に認識してもらうこと。悩みの解決策探しはその後からスタートする。

だから占い師は日々、言葉を磨かなければいけないのだ。
日々自分の感情を、自分の言葉で表現することを怠らないこと。それを地道に続けなければならない。
それは私自身も同じこと。どんなに小さなことでも、私の言葉を大切にしていこう。
こう決めた時、私自身の背筋がピンと伸びた。

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